プロが教える!正しい名刺デザインの考え方と具体例

プロが教える!正しい名刺デザインの考え方と具体例
Tetsuya

大事なのは作り方ではなく考え方

Tetsuyaです。

名刺はwebサイトと同様に自分の顔や分身に近いもの。

おしゃれでかっこいい名刺や、シンプルで誠実そうな名刺、スタイリッシュな名刺を
印象が良くなるように作りたいと思われる方は多いかもしれません。

とはいえ、今はネットで全ての情報が辿れる時代。

名刺作りの考え方を見誤ってしまうと、
どれだけおしゃれでスタイリッシュな名刺デザインを作っても

名刺の効果が半減してしまう可能性があります。

ということで、今回は、見た目だけに捉われない
名刺デザインの考え方について、解説します。

これから名刺デザインを作ろうと考えている方、
名刺デザインの効果があまりないと感じている方は参考にしてください。

目次

名刺デザインを作る前に

「名刺 デザイン」で検索すると、このように

  • 名刺 デザイン おしゃれ
  • 名刺 デザイン シンプル
  • 名刺 デザイン かっこいい

見た目に関するサジェストワードがとてもたくさん出てきます。

それだけおしゃれでスタイリッシュな名刺を作りたいと考える人が多いからかもしれません。

ただ、そうしたスタイリッシュでおしゃれな名刺を作り始める前に、
改めて見直して欲しいものがいくつかあります。

例えば、公式のWebサイトやブログ、インスタやTwitterなどのSNS、
また、それ以外には、仕事内容や商品やサービスの価格帯など。

というのも、名刺デザインと仕事内容、価格帯、
他のツールとの整合性が取れてなければ、

どれだけ名刺デザインをスタイリッシュにしたところで、視覚的なミスマッチが起こり、
相手が違和感を感じることで興味や仕事の受注にまで繋がらないからです。

実際に、名刺の発注で最も多いのが、

  • シンプル
  • 高級感
  • かっこいい
  • スタイリッシュ

冷静になって一度考えて欲しいのですが、

ビジネスの業態、価格帯、ターゲット層、そうしたことを考えた際に、
果たして本当にそうした名刺のデザインで良いのか?ということです。

高級路線のWebサイト、高価格帯に見合う上質なビジネスをしてないにも関わらず、
名刺だけに高級感を求めるのは明らかに不自然。

もちろん、サービスの価格を上げるため高級感のある名刺を作るのは全然ありですが、
サービス面で名刺を受け取る側に違和感を感じられたら、元も子もありません。

高級路線を狙うなら、名刺デザインに限らず、身なりや手持ちのアイテム、
相手に送る文書のテンプレートから言葉遣い、メール文まで、全てにおいて一貫性が必要で、

そうした部分まで配慮ができて名刺がツールとして機能します。

名刺デザインの際に考えよう
  • なぜ高級感が必要なのか?
  • なぜかっこいい名刺じゃないとダメなのか?
  • スタイリッシュって何がスタイリッシュとつながるの?
  • SNSやWebサイトとデザインの整合性は取れますか?

名刺デザインは部分最適ではなく全体最適を

新たな出会いがあった時に、自分がどんな人間か分かりやすく伝えるのに役立つのが名刺です。

ただWebサイトやSNSは名刺に記載されたURLやQRコードから辿りつくもの。
特にブランディングを考えるなら、ブランドとしてのミスマッチがあってはいけません。

名刺からWebサイト、SNSにたどり着いた際、違和感を感じないか?
信用というのは“一貫性”や“統一感”があって、初めて得られるものです。

それは視覚的にも活動内容にも必要です。

パッチワークのような継ぎはぎの状態で各ツールに視覚的、活動内容に一貫性がなければ、
どの部分を信用すればいいのか?特に初めての方だと分かりません。

もちろん、直接会う機会を増やし、親交が深くなれば、
相手が受ける印象は徐々に変わってくるかもしれませんが、

名刺にしろ、Webサイトにしろ、“また会いたい人”と思われるかどうかで、
接触頻度は変わってきます。

それこそ第一印象が悪ければ、次はないと思うぐらいの意識は
きちんと持っておきたいところです。

たかが名刺と思われるかもしれませんが“されど名刺”。

特に、デザインの発注者は受け手側よりも自分のことだけを考える人が多く、
自分の想いが強いのは確かに良いことなのですが、

想いが強すぎて、お客様をそっちのけにしデザインを考えようとしたり、
見た目の良さだけにとらわれてしまうのは本末転倒。

そうならないよう、

  • 誰のために作るのか?
  • 何のために作るのか?

名刺(デザイン)を作る目的を明確にしましょう。

名刺デザインの際に考えよう
  • どんな人に名刺をたくさん配りたいですか?
  • どういう人の役に立てると一番嬉しいですか?
  • 関わりたい人が違和感なく受け取ってくれる名刺デザインとは?

名刺デザインでやってはいけないこと

名刺はあくまでも“ビジネス用途”として使うもの。

デザインというと、人と違えばいい、目立てば良い、そう考えるかもしれません。
ですが、気をてらった飛び道具的なデザインは、むしろ初対面の人には逆効果です。

名刺はあくまでも新しい出会いや交渉の場で使うツール、
自分の第一印象を決定付ける非常に大事なツールです。

ですので、あまり気をてらったデザインにはせず、
誠実さや、自分の想いが伝わるよう意識して名刺のデザインを作りましょう。

特に「型抜き」を使ったような変形名刺は、
一見他とは違うことで、インパクトがあるように感じますが、

型抜きする分、情報を記載するスペースが少なくなるため、よほどうまく工夫しないと
必要な情報が相手に届かず、名刺の効果が半減します。

それこそ中途半端な実績だと、デザインを奇抜にすることで“ビジネスが分かっていない人
そういうレッテルを相手に貼られてしまい兼ねません。

そんなの絶対に嫌じゃないですか?

また、名刺を可愛くしようと名刺の四角を丸く落とす方もたまにいますが、
一般的に角丸の名刺は、夜のお店でよく使われており、

気を付けないと誤解を生みます。
ビジネスツールとしての名刺に、可愛さなんて全く必要ありません。

もらった名刺が可愛いからって仕事を発注しようと思いますか?

あまりおすすめしない角丸の名刺

こうして見比べると、名刺の角が丸いか角ばってるかで、与える印象も変わります。
特に男性には角丸の名刺はおすすめしません。

そもそも名刺を受け取る側は、名刺のデザインを見るわけではありません。

その人と関わることで、自分にどんなメリットやベネフィットがあるのか?
自分が抱えている悩みや問題を解決してもらえる人なのか?

いざという時、連絡を取りたいと思うかどうか?
頼りにしても大丈夫か?信用するに値するのか?

相手を判断する材料として見るものです。
名刺はあくまでも相手から連絡をもらうコミュニケーションツールです。

名刺は相手からきちんと連絡がいただけてなんぼです。
名刺の役割をきちんと考えた上で、デザインを設計するようにしてください。

名刺デザインの際に考えよう
  • インパクトをメインに考えてませんか?
  • 名刺の内容ではなく、見た目ばかりこだわってませんか?
  • 相手からどんな名刺をもらったら連絡を取ろうと思いますか?

名刺は見せるものではなく生かすもの

名刺デザインの発注内容を見ていると、大半の発注者が
名刺は見せるものと誤解しているように感じます。

ですが本来、名刺は見せるものではなく“生かすもの”です。

つまり、大事なのは、名刺のデザインで興味を引くのでななく、
事業内容だったり、理念だったり、

SNSやWebサイトも見てみよう。困った時は連絡しよう。
そう思ってもらうことの方が重要です。

それこそ、どれだけスタイリッシュな名刺デザインでも、
名刺から必要な情報が読み取れなければ、名刺の意味はありません。

実際、プロのwebデザイナーが作るサイトは、
デザインあり気の独りよがりなものが多く、

何も情報が分からない“ただかっこいいだけ”のビジネスに繋がらないサイトがほとんど。

そんなただかっこいいだけのデザインにどこに価値を感じますか?

名刺も同様に、スタイリッシュにするあまり、一体何をしている人なのか?
何ができる人なのか?名刺を見て伝わらなければ意味がありません。

初対面の人が覚えていることなんてたかがしてれます。
大半のことは忘れられてしまいますし、後から名刺を見直して、何者か分からなければ、

連絡をもらうことは難しくなります。

それこそ超シンプルでQRコードを読み取らないと何者かも分からない。
そんな名刺をもらってわざわざQRコードを改めて読み取ろうと思いますか?

もちろん、だからといって、名刺に詰め込めるだけ情報を
詰め込めば良いというものではなく、

自分が相手に伝えたい情報は何なのか?
相手にどんな印象を持ってもらいたいのか?

名刺を受け取る側にメリットやベネフィットがあると感じてもらえるように
後から見ても“分かりやすく”、連絡がしやすいように作ることが大切です。

あなたは相手からどんな状況の時に連絡をもらいたいですか?
どんな人の役に立ちたいですか?

あなたと関わることで、相手にはどんなベネフィットが得られますか?
逆に自分が連絡を取りたくなる名刺とはどんな名刺デザインですか?

  • その情報本当に必要ですか?伝わりますか?
  • 相手にもっとも覚えてもらいたいことは何ですか?
  • 連絡したくなるメリットやベネフィットは入ってますか?
  • 相手が行動を起こしたくなるような構成になってますか?

正しいデザインと意味のないデザイン

漠然と正しいデザインとそうではないデザインがあると聞いても、
おそらくほとんどの人が理解できないと思います。

なので、具体例を出して補足的に解説しておきます。

素人によくある勘違いデザイン

意味のない柄を背景に入れる。

一般人は基本的に余白によるデザインのコントロールの理解がなく、
白場だけのデザインを嫌がります。

なので、真っ白な名刺では味気ない、オシャレじゃないと、
何となく意味のない背景パターンを入れがちです。

実際、オシャレ素材を使えば、綺麗な名刺は一瞬で作れます。

ただ、真っ白だと味気ないからと言って、
意味のない柄を背景に入れてもデザインの効果はありません。

仮にあなたがこの名刺を使っていて、名刺を渡した方に
背景の柄にはどんな意味があるんですか?」と聞かれたら、なんと答えますか?

恐らく何も答えられず、苦笑いしてしまうのではないでしょうか?

ですが例えば、背景の柄をそうした意味のないものではなく、
自分の仕事に関係のあるものを入れたらどうでしょうか?

以下の名刺は、自分の仕事がテキスタイルデザイナーやパタンナーだった場合、
名刺を渡した相手に、自分が何者かより伝わりやすくなる例です。

背景パターンを北欧風にしていれば、名刺をもらったお客さんは、
“テキスタイルデザイナー”という肩書きを見た瞬間、同時に

この人は北欧風のデザインが得意な人」と
自然とそういう印象が伝わります。

他には、アナログっぽい柔らかいデザインを得意としている人。
そんな印象を受けるかもしれません。

また、名刺を渡す際に「北欧風のデザインを得意としてます!」と伝えれば、
名刺を見れば瞬時に伝わるため、仕事の受注にも繋がりやすくなります。

名刺の背景に柄を入れるにしても、相手にどんな印象を与えたいかを考え、
どんな情報を入れるかでデザインの効果は変わります。

ですので、名刺デザインを作る際には、ただの名刺で終わらせるのではなく、
自分の印象がしっかり相手に伝わり残るもの、

仕事の受注につなげるイメージを持って、デザインを検討してみてください。

意味のないデザインはデザインとは言いませんし、
デザインは本来しっかりと意味や効果を考えて設計し、作るものです。

素人によくあるダサくてイタいデザイン

続いて2つ目。このパターンは起業したばかりの人にめちゃくちゃ多いデザイン。

どういうデザインかと言うと、
作りたての自分のロゴをデカデカと名刺の背景に入れるパターン。

はっきり言ってダサいし、イタいのでやめましょう。

僕なら少なくとも素人感丸出しの名刺を配ってる人に、
お金を出して仕事を頼もうとは思いません。
※名刺からプロ意識を感じられない人に、仕事へのプロ意識があるとは到底思えないからです。

そもそもあなたが起業して覚えてもらいたいのは、あなたの名前や仕事内容ではなく、
作りたての起業ロゴでしょうか?

ロゴをデカデカと見せて、仕事につながるでしょうか?

電車に乗っていたり、道を歩いていて、
あなたの企業ロゴがそこらじゅうで目につきますか?

これも先のパターンと同じ、ただ名刺のデザインをスタイリッシュにしたい
真っ白の名刺ではインパクトがない、

せっかくお金をかけて自分のロゴを作ってもらったから、
ロゴを目立たせたい。見せびらかしたい。

ただのイタイ自己満足。

はっきり言って、ロゴのデザインなんてクライアントにはどうでも良いこと。

僕なら、そんな無意味な名刺デザインは提案はしないし、
そうしたデザインを求められたら確実に「やめましょう!」とはっきり言います。

ぶっちゃけ印刷代と紙の無駄。

先のパターンと同様に、せっかく大きくオブジェクトを入れるなら、
仕事内容に関係のあるものを入れ、仕事の受注に繋がる工夫をしましょう。

例えば、自分がイラストレーター、Live2Dモデラーなら、
こんな名刺にすれば、確実に効果は上がります。
(サンプルは無理やり表面1枚で済ませてますが…)

その理由は、名刺を見ただけでどんな雰囲気のイラストを描く人なのか?
何ができる人なのかが一瞬で相手に伝えることができるからです。

ロゴをデカデカと大きくするより、こうする方がよほど相手に印象が残り、
仕事につながりやすくなると思いませんか?

そもそも企業ロゴを大きくして意味や効果があるのは、
すでにその会社にブランド力や認知度がある場合だけです。

とは言え、僕はこれまで数多くの大手一流企業の方とも仕事をしてきましたが、
会社のロゴをデカデカと入れている大手企業を見たことがありません。

紙袋にブランドロゴがデカデカと入っているのは、すでにブランド力のある企業であり、
ロゴの入った紙袋が広告塔になるからです。

起業したての全く認知度がない状態で、
しかも作りたての企業ロゴをデカデカと名刺に入れて、

相手が仕事を発注してくれるでしょうか?

逆にそうした名刺を見て、あなたは仕事を発注しようと思いますか?

それよりもロゴを小さくして、代わりに、何ができる人なのか?
どんな思いで仕事に向き合っているのか?

理念や事業内容を書き加えた方が、仕事につながりやすくなると思いませんか?

そもそも起業したての人は何者なのか?理解してもらえる人はほとんどいません。
だから、自分は何をして社会貢献したいのか言語化して、相手にきちんと伝えること

また、自分でもどうやって社会貢献したいのか?明確にしておくことが大切です。

デザインの見た目だけにとらわれる素人や、Canvaで簡単にデザインする、
デザインのデの字も分かってないお金を稼ぐためだけにデザインしている人は

そもそもそうしたデザインの意味や効果を理解してませんし、
発注相手のことを考えた提案もできず、

ただ見た目を「おしゃれ」にすることしかしようとしないし、できません。
もちろん、デザインのことを理解せずに発注する側、選ぶ側にも問題はあります。

見た目だけを考え、低予算でデザインを作ったところで、
名刺がビジネスツールとして活きなければ作る意味はありません。

何のために名刺を作るのか、きちんと考えた上で発注しましょう。

実際、ただオシャレなだけの名刺を作って、どんなメリットがありますか?
あなたが名刺交換する相手が求めているのは、名刺のオシャレさでしょうか?

今や誰もが手軽にデザインできる時代になりましたが、
世間の情報は見た目を整えるテクニックばかりで、

本当に仕事や人脈につながるデザインの本質を考えて、デザインと向き合っている人や情報は
非常に少ないのが現状です。だから今、僕がこうして書いています。

そもそもデザインのテクニックなんて必要ないし、価値や効果もありません。

名刺デザインの際に考えよう
  • その背景本当に必要ですか?
  • その装飾にどんな意味がありますか?
  • 本当に見て欲しい内容を、装飾で邪魔したりしてませんか?
  • SNSやWebサイトも名刺デザインと整合性が取れますか?
  • 空いてるスペースを無理矢理装飾で埋めようとしてませんか?

名刺デザインの考え方まとめ

たまにはデザイナーらしくデザインのことについて書いてみようと、
今回は名刺デザインの考え方についてまとめました。

というのも僕は一時期、名刺のデザインにハマっていたのですが、
発注者の発注書とwebサイト、事業内容があまりに乖離していて、

違和感しか感じないという想いをたくさんしたからです。

例えば、名刺のデザインに高級感を求めているのに、
webサイトには高級感が全くなく、仕事内容にも上質なサービスがなかったり、

シンプルでスタイリッシュな名刺デザインを希望されているのに、
Webサイトはごちゃついて、全然スマートじゃなかったり。

今や、名刺だけでビジネスにつながることは少なく、
WebサイトやSNSを見た上で、相手は判断するものです。

実際にどんなサービスを行なっているのか?理念は?
どういう目的で誰のためにビジネスを行なっているのか?

あらゆる情報を相手がwebサイトやSNSで精査した上で、
取引相手として発注するかが決められます。

それこそどれだけ名刺がスタイリッシュに出来上がっても、
仕事の進め方がスタイリッシュじゃなかったり、

企画書がスマートじゃなかったり、あらゆる面で整合性や一貫性がなければ、
相手に不信がられてしまいます。

もちろん、いきなり全てのツールに整合性を持たせるのは難しいかもしれませんが、
名刺にしろ、Webサイトにしろ、

見た目だけを意識してもうまくいかないのが今のご時世。

だからこそ、自分がどういうビジネススタイルで、どんな想いで仕事に向き合っていて、
相手にどんな印象を与えたいかでデザインを調整することが大切です。

ネットにある情報はデザインの見た目に関することばかりですが、
デザインの体裁を整えるのは、あくまでも最終的な部分で、

本来はデザインを作り込む前に詰めるべきことがたくさんあります。

デザインは総合的な設計なくして、効果が得られにくいご時世ですので、
見た目の美しさだけにとらわれるのではなく、

どうすればよりたくさんの人に自分のビジネスや想いが理解してもらえるか?
しっかりと詰めた上で、名刺のデザインを制作していただけたらと思います。

意味のある効果の出る名刺デザイン作りませんか?
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