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デザインの配色って難しいですよね。
デザイン歴23年、ガチデザイナーの「Tetsuya」です。
私たちは情報の9割を視覚、目からインプットしているのですが、
さらに視覚的な情報の8割を色で認識しています。
なので、色情報というのはすごく重要なんですね。
ということで、今回はデザインに欠かせない色の重要性について
簡単にお伝えしようと思いますので、
いつも「何となく色を決めてしまってる」という方には、
少しでも気付きになれば嬉しいです。
色の意味と心理効果
この世にあるものは基本的に人によってデザインされたものしかありません。
だからデザインされたモノには必ず、そうなっている理由があります。
例えば、街中にある信号機。
信号機の色はなぜ、赤、黄、青で、しかも青・黄・赤の順番で並んでいるのか?
理由を考えたことはありますか?
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信号機が赤・黄・緑の理由
まず、信号で最も大事なことは「遠くからよく見えること」。
これが絶対条件です。
なぜなら車は急に止まれないからです。
なので、
車のドライバーが遠くから最もよく見える色として
色の波長が長い「赤・黄色・緑」の三色が採用されています。
特に赤は色の中で最も波長が長く、遠くから見える色で、さらに視神経を強く刺激する色でもあるため、
信号の中で一番重要な「止まれ」の色として採用されています。
また、黄色は霧のようなモヤがかった状況でも比較的見えやすい色で、
赤と同じく、注意・警告を表す色として用いられています。
そして、黄色と赤以外で最も遠くから見える色が緑(青)。
さらに緑には、心理的な効果として、
気持ちくをリラックスさせたり、落ち着かせる効果もあります。
ちなみに、色の並びが左から緑、黄色、赤になっているのは、
右ハンドルのドライバーが最も目につきやすいのが、右端だからです。
だから最も重要な赤信号が一番右に配置されています。
こうして信号にはなぜ、赤、黄色、緑が使われていて、
左から緑、黄色、赤なのか、きちんとした理由があります。
非常口のマークが緑の理由
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公共の施設や大きな建物には必ずある非常口のマーク。
あなたはなぜ非常口のマークが緑なのかご存知ですか?
理由は大きく2つあり、1つは緑色が心理的に、
心を落ち着かせるリラックス効果がある色だからです。
つまり、災害が起こった時でも、慌てず落ち着いて行動させるために
緑色のマークが採用されています。
そしてもう1つは、災害が起こると火災になることが多々あります。
実際に火災現場は激しく炎が上がると、空間全体が赤色に染まります。
そんな炎が上がった空間で一際目立つのが、赤と補色関係にある緑です。
あなたも学生の頃、一度はこうした12色相環を目にしたことがあるかと思います。
赤と緑はまさに対極にある補色関係の色なんですね。
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つまり、火災の時、赤く燃え盛る炎の中で最も目立つ色が緑だから、
非常口のマークは緑が採用されているというわけです。
こうして信号にしても、非常口のマークにしても、
色の視認性だったり、心理効果によって然るべき色がきちんと採用されています。
色の補色関係が使われているその他の例
色の補色関係が使われている例が他にもあります。
例えば、お刺身によく入っている緑色の「バラン」(ギザギザの葉っぱみたいなやつ)だったり、
パセリというのは、赤身のお刺身をより美味しそうに見せるために添えてあります。
さらに、医療現場で手術着が緑なのも、執刀医がずっと血液の赤を見ていると、
目がチカチカして医療ミスに繋がる可能性があるため、
常に視覚を安定させ医療ミスを起こさないよう、手術着には青緑や青が使われています。
また、牛乳のパッケージに青がよく使われているのは、
真っ白な牛乳をより美味しく濃厚に見せるためです。
実際に青や紫の補色関係にある色は、黄色やオレンジで、
そうした補色関係にある色を見せることで、より商品が美味しそうに見える工夫がされています。
昔からある牛乳瓶の蓋にかぶっているビニールが青っぽかったり、紫っぽいのは、
そうした心理補色の影響を与えるためです。
こうして身近にあるちょっとしたものでも、人にデザインされているものには
必ずそうなっている理由があります。
もちろん、こうした理由以外に、企業のブランドカラーがある場合は、
ブランドカラーを統一して使うというのが鉄則です。
いずれにしてもデザインする時は、安易に色を決めるのではなく、
「なぜその色にしなければならないのか?」理由を考えて配色することが大切です。
なので、もしもビジネスや集客のためにデザインをしているのなら、
相手に情報を正しく伝えたり、反応の効果を上げるためにも、色は慎重に選びましょう。
まとめ:デザインの理由を知ろう
今回は、デザインに欠かせない色の重要性について簡単にお伝えしました。
僕はプロとしてデザインをしているので、色の重要性は分かっているのですが、
こうしたことをデザインを知らない人たちに伝えるのは
なかなか難しいことでもあります。
なのでまずは身近なことから少しでもデザインに興味を持っていただけたらと思い、
ちょっとした例を挙げてみました。
とは言えもちろん、プライベートでデザインする際には、自分の好きな色を選べば良いですし、
デザインはなく、アートとして自己主張を強めにする場合も、
自分のカラーとして強調したい色を全面に出すのも全然ありです。
いずれにしても、誰に向けてデザインするかで、
見せ方だったり、伝え方を変えるというのが大切になります。
実際に色のことだけでも少し知っておくと、デザインもしやすくなりますし、
色の知識は洋服選びやインテリア選びなどでも役立ちますので、
色に関することだけでも興味を持っていただけると嬉しいです。
ということで、最後までお読みいただきありがとうございました。