Tetsuyaなんか違う気がする・・・
Tetsuyaです。
ここ近年、デザイン関連のソフトやアプリが急激に使いやすくなり、
そうした環境が整ったことで、
誰もがクオリティの高いデザインを手軽に作れるようになってきました。
また、働き方改革をはじめ、副業の解禁、コロナによるリモートワーク化で
在宅でお金が稼げるデザインは人気の仕事になりつつあります。
ただ、そんな世の中の流れを見て、これまで20年以上プロとして
デザインの仕事に携わってきた身からすると
ぶっちゃけ違和感しか感じません。
そもそも「デザインはお金を稼ぐためのツールでいいのか？」
という違和感です。
もしもデザインを外注に頼んだのに効果がない、
デザインを学んだのに「こんなハズじゃなかった」という人がいれば、
僕のコラムが参考になるかも知れません。
※このコラムはあくまでも個人的な違和感について書いているだけで、誰かを否定するものでも、
誹謗中傷するものではありません。また、僕自身の正義を振りかざすものでもありません。
お金を稼ぐためのデザインとは？
お金を稼ぐためのデザインというのは基本的に
「デザインがゴール」になっています。
デザインが苦手な人、デザインができない人の代わりにデザインをする。
それもありと言えば、確かにありです。
ただ僕はこれまでプロとして自分がお金を稼ぐためにデザインはしてきてません。
なぜなら、僕はあくまでも
- クライアントに利益をもたらすため
- クライアントの悩みや問題を解決するため
- ユーザーに適切な商品やサービス、情報を届けるため
こうした目的でデザイン制作に携わってきたからです。
だからものすごく違和感を感じます。明らかにデザインする目的が違うから。
また、SNSに流れてくる広告を見ていると、
誰でも簡単に短期間でWebデザイナーになれる！
Webデザインを学んで在宅で、ストレスフリーで仕事をしよう！
こんなコピーが書かれてますが、ぶっちゃけ、仕事をすれば確実にストレスはあるし、
在宅で働けば子供に邪魔されてイラっとすることも普通にあると思います。
特にネット上で直接会ったことのない人とやり取りすれば、
リアルに話すより意思疎通は難しく、ストレスを感じやすかったりします。
なので、ストレスフリーはあり得ません。
ましてや、経験値の低い人ならなおさらです。
幾度となくデザインの修正を頼まれて、ストレスを感じないことはまずあり得ません。
短期間でWebデザイナーになれるというのもマユツバもの。
そもそもデザインスキルと仕事のスキルは別物です。
スキルや知識を身につければ、即座に仕事やお金につながるわけではありませんし、
仕事を円滑に進められなければ、自分だけではなく、
相手にもストレスを与えてしまい兼ねません。
どういうスタイルで働くかは個人の自由ですが、
これまでクライアントやユーザーのためにプロとしてデザインしてきた身からすると、
自分がお金を稼ぐためにデザインする、在宅で働くためにデザインしようと考えることに、
どうしても違和感しか感じません。
デザインがお金を稼ぐツールと化した弊害
自分がお金を稼ぎたい人のデザインを見ていると、
ぶっちゃけ「自分のためだけに」デザインしている人がとても多い印象があります。
その理由は明らかにデザインが適当で、無責任な仕上がりだから。
言い換えるなら「そのデザイン、本当にその金額で買えます？」と
問い詰めたくなるようなデザインをしてる人がものすごく多い。
実際、買い手の気持ちになってデザインしてる人が
果たしてどれだけいるのか疑問です。
プロの現場でも似たような人はたくさんいました。
特にプロの現場では仕事が忙しすぎて、デザインの仕事が
単なるオペレーション（作業）になっている。そういう人が多かったです。
会社にいると「仕事があるのが当たり前」と思っている人がとても多いですが、
仕事が当たり前にあるなんて思わない方が絶対にいいです。
だから僕は仕事をもらえることが当たり前とは思いませんし、
相手に感謝し、相手を敬い、相手や社会のために仕事をします。
また、逆にデザインの発注側を観察してると、
「そのデザインにそれだけお金を出す価値があると本気で思ってます？」と
確認したくなるようなクライアントも意外と多いことに驚きます。
よくもまぁ、素人のデザインにお金を出す余裕があるなと感心します。
そうした現状をみると、作る方も頼む方も変わらない。
プロと素人との区別がつかない人は、素人にお金を払うしかなくなる時代。
ある意味怖い時代です。
ちなみにこうした人たちに共通して言えるのは、
「自分のことしか見えていない」ということ。
制作側は“自分が”ただお金を稼ぎたいだけ。
クライアントは“自分が”好きなデザインを選んでいるだけ。
デザインを作る側も、依頼する側も、
デザインの本質が分かっていません。
そうした現状には憤りと悲しみしか感じない。
テクニック頼りのデザインに意味があるのか？
何となくデザインを作る人、何となくデザインを作ってもらう人で
成り立ってしまう今の世の中。
デザインは一体何のためにするのか？何のためにしなければならないのか？
改めて問い直す必要があると、僕はそう感じています。
僕自身もプロとしてのキャリアにあぐらをかくつもりは全くないです。
時代がどんどん変わっている分、時代に合わせて進化していく必要があります。
だから冷静に今の時代を観察してます。
便利な時代になったので、幸せな人が増えたら良いと思うけど、
正直、とてもそうなるとは思えません。
AIにしても「お金を稼ぐツール」として、自分さえ良ければいい。
そう思う人が多ければ多いほど、世の中はおかしくなるし、
不幸になる人がたくさん増えると思います。
今やネットを見れば、デザインに限らずあらゆるテクニックのノウハウを
知ることができますが、
誰でも再現できるテクニックに価値があるのか？
僕には少し疑問です。
そもそも仕事はテクニックだけでどうにかなるものではありません。
デザインで仕事をするにしても、デザインを表現する以上に
大切にしなければならないことがたくさんあります。
そうしたことを伝えている人は、正直あまり見かけません。
ある意味、本質的な部分は僕自身も本気でデザインを学びたいと思う人にしか
伝えても伝わらないと思いますし、
そうしたことは本当にプロとして、プロの現場で経験を積んだ人にしか
伝えられないことだと思っています。
逆に言うと、デザインのテクニックを学ばなくても、
プロとしてデザインの仕事はきちんとできます。
デザインの本質や、デザインの仕事に最も重要な要素さえ分かっていれば。
最低限デザインの定義を理解しておこう
デザインと聞くと、センス、オシャレ、
そんなワードを頭に思い浮かべるかもしれません。
ただ、デザインには天才的センスは必要ありませんし、
プロはおしゃれなものを創るために仕事をしているわけではありません。
そもそもデザインとアートは全く違います。
いずれにせよデザインの仕事をする上で、デザインセンス以上に、
以下のセンスが必要です。
- デザインを組み立てるセンス
- コミュニケーションのセンス
- ビジネスセンス
- プレゼンのセンス
つまり、デザイナーにはありとあらゆるセンスが求められます。
センスが必要ないのは、デザイナーではなくオペレーター（作業者）だけ。
そもそもデザイナーとオペレーターの区別がついてない人
デザイナーに任せるべき仕事を理解してない人が非常に多い。
実際、見た目を綺麗に整えるのがデザイナーの仕事だと、
勘違いしている人が非常に多い。
だから本質に基づき効果の出るデザインをしている人と、
そうでない人との違いは、ものすごく見分けにくいです。
そもそもアートとデザインの区別がつかない人が多いため、
ある意味仕方がないのかもしれません。
日本のデザインに対する教育はとても遅れています。
仮にデザインでお金を稼ぐにしても
自分だけ稼げれば良いのか、クライアントと共に繁栄したいのかで
仕事やデザイン、それこそ、人との向き合い方も変わってきます。
もちろん、利己的でも全然良いとは思います。その方が頑張れるなら、否定はしません。
ただせっかく利己的に頑張るなら、同時に、周りの人も幸せにする。
そんな気持ちでデザインに向き合ってくれると、社会はもっと良くなると思う。
YouTuberのごとく、自分が好きなことをして、同時にそれが世の中にも役立つ。
これが最も理想のビジネスの仕方だと思っています。
デザインを純粋に楽しむ人を増やしたい
デザインを収入のためにすること自体、否定する気はありません。
とは言え、せっかくデザインするなら、
クリエイティブなことを全力で楽しんで欲しいと思う。
自分のスキルがカタチになり、その影響力で人が喜んだり、笑顔になったり、
そういう姿を想像しながらワクワクして欲しい。
デザインにもビジネスにも、それこそ人生にも“正解”はありません。
自分が良いと思えばそれが正解。
だから、人のことをとやかくいうつもりは全くないです。
ただデザインをお金のためだけに制作して、悲しむ人だけは増やさないで欲しい。
実際、僕はこれまで何人かのクライアントに泣きつかれたことが幾度となくあります。
お金を払ったのに「できません」と言われ、連絡がつかなくなった。
そんな人たちがいたりします。
ロクにヒアリングやデザインもできないのに、それっぽいコピーだけ書いて集客し、
お金をもらって消える詐欺師。そうした人がデザイナーの価値を落としています。
僕は、そんな人に大金を払い泣きついてきた人を何人かカバーしました。
今の時代は確かに誰もが自由にお金を稼ぎやすくなっています。お金の稼ぎ方も千差万別。
それはとても良いことであり、本来そうあるべきだと感じています。
ただ僕には自分が良ければそれでいいというスタンスではなく、
一緒に苦労も喜びも分かち合いたいという想いがあります。
発注者と受注者ではなく、パートナーとしてビジネスを一緒に盛り上げたい、
そう考えてくれる人のためにデザインをしたい。
無理して集客や営業しなくても、人が集まり、仕事が回る、
そんな環境を仲間やクライアントと作っていきたい。
お金は大事。でもそれ以上に大切なものがたくさんあります。
逆に何を大事にすれば、お金が自然と回ってくるのか？
そうしたことを考える方が、デザインもビジネスも確実に楽しめます。
僕は自分のアイデアを無責任にたくさん提案するのが大好きです。
理由は提案してみないと分からないし、提案にこそプロとしての価値があると思っているから。
選択肢は多い方が絶対に良い。
そもそも言われたことだけなら誰でもできるし、これからはそれをAIがします。
だから、クライアントに「それもありかも」と言ってもらえるデザインを提案してます。
違った視点を持った上で、セレクトしてもらう方が、よりデザインの効果も高くなるから。
つまり、制作側が純粋にデザインやクリエイティブを楽しめば、
そのエネルギーが相手や周囲に伝播し、自分も周りも繁栄すると、そう信じています。
実際、今の世の中、面白い惹かれるデザインはほとんどありません。
テンプレート化された誰でもできるデザインに一体どんな魅力を感じるのか
すごく疑問に思うし、それを良しとする人を僕は正直、理解できない。
便利になる一方で人がAI化しています。人間味のある人が減っています。とても悲しい。
人は基本的にリスクを恐れて、違うことをしたがりませんが、僕は逆。
周りと同じことをしても、楽しくないし、人に合わせた人生なんて真っ平ごめん。
人がAI化に向かうなら、僕はその真逆をいきます。
より人間らしく、人間味のある人間性を磨き、人として生き、
きちんと人とつながりたい人、人間らしく生きたい人とつながっていきます。
まとめ
今回のコラムで伝えたいのは、
純粋にデザインをいろんな目的でする人が増えたということ。
それこそ、一昔前はデザインが好き、
人と接するのが苦手で、黙々と作業したいからデザイナーになった。そんな人が多かったです。
ある意味、デザイナーはコミュ障の人がとても多い。
プロの現場では、そんな印象が強くありました。
逆に今は、お金を稼ぐためにデザインする人たちが増え、
安価で気軽にデザインを頼めるようになりました。
その反面、実際にデザインの効果を得て、喜んでいる人がどれだけいるのか？
疑問は残りますが、喜んでくれる人がたくさんいるとすごく嬉しい。
確かに昔はデザイン費が高額でした。
それは紛れもない事実ですが、それはデザインの制作を行う上で、
たくさんの人が絡まざるを得なかったからです。
デザイナー、アートディレクター、クリエイティブディレクター、営業、広告代理店、
コピーライター、イラストレーター、プロカメラマン、撮影スタジオ、オペレーターなど、
1つの案件にこれだけの人が関われば、高額になるのは当然です。
クライアントのオーダーに合わせて、それぞれのプロが、
素材作りから関わる時代でした。その分、手配もスケジューリングも大変でした。
だから、クライアントは当然、高額なデザイン費を払うため、
広告やデザインのことをしっかり勉強されてました。
僕自身、広告代理店の人やクライアントからデザインのいろはを教わることも多かったです。
逆に今は安価で手軽にデザインが作れてしまうため、
デザインについて真剣に学ぼうとする人は少ないかもしれません。
いずれにしても誰に頼めば正解か、何が正解かは非常に分かりにくい時代なのは確かです。
ある意味、早く回して検証する。そうした流れが今の時代なのかもしれない。
そう考えると、大事なのはスピード感。それはそれで1つの戦略になります。
しばらくこうして好き勝手にコラムを書こうと思ってますが、
なぜコラムを書くかというと、
自分が何に憤りを感じていて、何をしていきたいのか？
アウトプットすることで気付けるからです。
別に誰かの悪口や文句を言いたいわけではありません（笑）
それだけ時代が変わっていることを自分がきちんと認識するため。
そもそも過去の実績にこだわっていても何の意味もありません。
せっかく個人でビジネスをするなら、ライバルと不毛な争いをすることなく
仲間たちと純粋にデザインやクリエイティブなことを楽しんでいきたいと思っています。
世の中に役立つイノベーティブなビジネスをやっていきたい。
だから自分が感じている違和感に声を上げていこうと思う。
そういう人が少しぐらいいてもいい。伝えなければ、伝わらない。だから声をあげる。
また、多くの人に僕の憤りを聞いて欲しいとは思ってません。
自分と似たような憤りを感じていて、たまたま検索でたどり着いた。
そんなご縁のある人と繋がれればそれでいいと思っています。
その方がより本音感を出せるから。僕はご縁を大事にしてます。
大量の読者やフォロワーなんて必要ないです。
だからSEO対策する気もないし、誰でも書けることは書きたくないし
「Googleのためではなく人のため」に書いています。
特に2023年は本音感全開でいくと決めました。だから上辺のことを書くつもりはないです。
批判されようが、これは僕の意見。違うと思うなら、そう思えばいい。どう思おうが人の勝手。
同じように本音を言いたいけど、大声ではなかなか言えない。
そんな人とつながれたらすごく嬉しい。
僕は本音感全開で、もっと純粋に自分がやりたいことを実現できる環境を作りたいと思っている。
もしも似たようなことを思っている人がいれば教えて欲しい。
自分や人に嘘をついた「マーケティングあり気のビジネス」にはうんざりしてます。
そうしたテクニック頼りで時代遅れのビジネスではなく、
もっと先進的で他に誰もやっていないビシネスの土台を築いていきたい。
このコラムが僕と似たような思考の人とつながれる1つのキッカケになればと思い
今年は胸のうちに秘めた想いを赤裸々にアップしていきたい。
※あなたの本音、クライアントの本音、何かあればお気軽に聞かせてください。
