ロゴデザインの考え方と具体的な作り方

ロゴデザインの考え方と具体的な作り方
Tetsuya

ロゴの英語表記でlogoかrogoかでいつも迷います(笑)

デザイン歴23年、ガチデザイナーのTetsuyaです。

今年から「教えるデザイナー」としてきちんと活動していこうと、
このブログを立ち上げたついでに

やっぱり「ロゴ」いるよね〜って思って、とりあえずロゴデザインをいろいろ作りました。

正直まだどのロゴにしようか、そもそも屋号として決めたわけでもないけど(笑)
まずは形からということで、暫定ロゴが完成したので、

とりあえず、どうやって完成まで至ったかをまとめておきます。

なので、ロゴデザインの考え方や作り方を「具体的に知りたい方」は
ぜひ参考にしてくださいね。

目次

ロゴ(logo)の構成要素

ロゴデザインをする際に、覚えておいていただきたいのがロゴの構成要素です。

というのも、もしもプロにデザインを頼む時、
「ロゴデザインをお願いします!」と言われても、

  • ロゴマーク(シンボルマーク)だけなのか?
  • ロゴタイプだけなのか?
  • ロゴマークとロゴタイプの両方なのか?

お願いされる方は分からないからです。

一般的にロゴデザインというと、ロゴマークを想像されるかもしれませんが、
ロゴというのは基本的に、ロゴマークとロゴタイプセットでの総称です。

当ブログのロゴは何もデザインしてませんが、ロゴの構成を説明するとこうなります。

いずれにしても、ロゴマークやロゴタイプは企業や商品、サービスの象徴となるものですので、
自分の思いをしっかりと込めて作ることが大切です。

ちなみに僕が今回作ったのは、ブログのロゴではなく、
今後、デザイナーとして名刺や封筒、請求書などに使える屋号としてのロゴマークです。
(また暫定ではありますが、いろいろと考えるのが楽しいです)

ロゴデザインを作る前の準備

ロゴデザインを作る際、忘れてはならないことが1つだけあります。
それが何かというとロゴの「コンセプト」です。

コンセプトというのは、簡単に言うと、
自分はこういう理念や信念のもとで活動してますよ!と

自分のことをまだ知らない人に知ってもらうための軸だと思ってください。

なぜロゴのコンセプトが必要なのかと言うと、
ロゴデザインのコンセプトがなければ、

ロゴをどんなカタチや色、雰囲気にすれば良いのか、
方向性を定めることができないからです。

これは自分で作る時も、人に頼む時も同じです。

そもそもコンセプトがないものはデザインではありませんし、
コンセプトのないロゴ自体、基本的にあり得ません。

というのも、企業ロゴや商品ロゴは
「自分の分身」ともいうべくブランドマークにもなるからです。

言い換えるなら、ロゴというのは自分が親から付けられた名前のようなもの。
これから一生使っていくそんな大事な名前を「何となく」で決められますか?

つまり、ロゴというのはそれだけ重要なもので、

極端な話、ロゴデザインのイメージが今後の命運を左右すると言っても
決して過言ではありません。

なので、ロゴのコンセプトは本気になって考えましょう。
(もちろんデザインもですけどね。)

ロゴデザインのコンセプトは

  • 最終的に「これでいこう!」と自信を持って判断するためのもの
  • 人に自分の信念を伝えるためのもの
  • 自分の存在を多くの人に周知させるためのもの

ですからロゴデザインのコンセプトは必ず用意するようにしてください。
※コンセプトを考えないままプロにお願いしても100%満足のいくロゴデザインには仕上がりません。

ロゴデザインのコンセプトを決めるメリット

ロゴデザインのコンセプトを決めるメリットはきちんとあります。

それは

自分がどんな思いでビジネスをするのか、もしくはしているのか、
ロゴのコンセプトを決めることで改めて明確にすることができるからです。

逆に言うと、元からきちんと自分の理念や信念を持っている場合は、
それを「ロゴデザイン」として形にしましょう。

僕はあえて難しいことは言いません。
大事なのは、なぜ自分がそれをしているのか?もしくはしたいのか?

その思いをロゴとしてデザインしましょうということです。
自分でなぜそれをしているのか?説明できない事業は絶対にうまくいかないからです。

なので、まずはロゴデザインを作る前に自分の思考を整理し、言語化しましょう。

ロゴデザインの具体的な作り方

それではロゴデザインの「コンセプト=軸」が決まったら、
あとはコンセプトが伝わるようにロゴデザインを考えます。

ロゴデザインを考える方法としては

  • コンセプトから抽象的なマークを作る
  • 業態から具体的なイメージにしてコンセプトと絡める
  • 企業名、商品名、サービス名などの文字から形をとって考える

このように作り方は色々あります。

特にデザインに詳しくない方、デザイン初心者の場合は、
いきなり形にしろと言われても難しいと思いますので、

企業名や商品名などから考えることをおすすめします。

僕はロゴデザインする時はマークを作るにしても、
そうして「文字から派生させる」ことが多いです。

ということで、そうは言われてもよく分からないと思いますので、
具体例を挙げて解説していきますね。

暫定ロゴのコンセプト

今回僕が考えた暫定ロゴデザインのベースは「MIrakuri Design(ミラクリデザイン)」
ブログ名は「デザインの歩き方」ですが、URLがそうなっています。

これは「笑顔で溢れる未来をクリエイトする」というコンセプトをベースに
未来の「みら」とクリエイティブの「クリ」を組み合わせた造語です。

というのも、僕は「デザインをもっと身近により分かりやすく」という軸で
プロになりたい人ではなく、デザインを仕事や日々の日常に活用したい方に
教える活動をしているのですが、

その理由は、デザインを活かして誰もが「自分らしく」仕事も遊びも楽しみながら、
理不尽な思いをせず、毎日を笑顔でイキイキと過ごせる社会を作りたいからです。
(僕がなぜそう思うのか、詳しくはプロフィールを見てください)

そうした思いから「Mirakuri Design」という造語を考えました。

なので、そうした「僕の思い」から弾き出したキーワードが、
デザインを通して

  • 未来を明るく照らす
  • 気分が上がる(上昇する)
  • 笑顔になる
  • ハッピーになる(幸せになる)

+ デザインするとか、デザイナーのイメージ。

こんなイメージが伝わるロゴデザインにしたいと考え、
これらを基準に暫定のロゴデザイン(マーク)を作りました。

つまり、このキーワードを満たしているかどうかが、
ロゴデザイン決定の基準になるということです。

ロゴデザインの入り口

僕はいつもロゴデザインを考える際は、まずロゴの頭文字で考えます。

今回は「MIrakuri Design(ミラクリデザイン)」ということで、
「MとD」をとって、MとDだけでマーク化できないかを考えました。

もしくは未来のMとクリエイトのCとの組み合わせ。

ちなみにロゴの文字表記は本来、
mirai (ミライ)+ create(クリエイト)で「miracre(ミラクリ)」になるのですが、

これでは「ミラクレ」と読まれてしまうか、
読み方が分からないと思われそうでしたので、

あえてmirakuriとローマ字表記に近い文字表記に変えています。
(未来ならfutureじゃないかというツッコミもきそうですが、気にしない。笑)

ただ文字から派生させるにしてもパターンはいろいろあります。
例えば、

大文字+大文字、小文字+小文字、それ以外にも、
大文字だけ、大文字+小文字などでも考えられます。

さらに、

このように手書き風のタッチにすると表現の幅が広がります。

いずれにしても、自分がどんなコンセプトで誰に向けて作るロゴなのか?

それによってロゴデザインの世界観を合わせることが大事ですので、
自分の好きな雰囲気で作るのだけはやめましょう。

デザインはコンセプトに基づき作るのが基本です。

ということで、僕は「m + d」で考えたのですが、
シンプルに文字だけで考えたロゴマークがこちらです。

左側はmとdをそのまま組み合わせ、右側は少しアレンジ。

ここからデザインを少しずつ派生させていきます。

ロゴデザインの派生系

僕は先の右側のロゴデザインを作った際、
人がマウスを握っているような雰囲気だなぁと思いました。

そこからmとdの文字で手を表現できないかを考えました。
それで仕上がったデザインがこちらのロゴ。

パッと見では分かりにくいかもしれませんが、mとdで「ピース」しているイメージを表現しています。

ピースはまさに平和の象徴で、僕の生徒さんが思わず笑顔でピースしたくなるデザインが
できるようになれば良いなぁという思いを込めています。

さらに、そこから手書き系の書体で何かイメージできないかも考えました。
そして思いついたのが、小文字のmは電球のコイルに似ている。

デザインで「未来を明るく照らす」というコンセプトから
電球をイメージしたロゴマークはどうだろう?と考え作りました。

それがこちら。


こちらのロゴは「小文字のm」と「大文字のD」で電球を構成。
ただ、少しありきたりなイメージではありますけどね(暫定ロゴなので。笑)

最後に5つ目。デザインで社会を笑顔にというコンセプトに基づき
無理矢理ではありますが、MとCで笑顔のロゴマークを作りました。

それがこちら。

右側がロゴマークの構造。このロゴは未来のMとクリエイトのCを取って作っています。
対象は男女両方ですので、片方に寄らない顔に調整。

また、あまり可愛くなりすぎると子供向けになってしまいますので、
あえて目は入れず、顔っぽい雰囲気だけにとどめています。(まだ改善できそうですが…)

実際にこうしてロゴの頭文字だけでもデザインのイメージが異なる、
十分コンセプチュアルなロゴデザイン(マーク)を作ることが可能です。

ただ、デザインに慣れてくるまでは、いきなりパソコンで作ろうとはせず、
まずは自分のイメージやコンセプトに基づいて、手描きでイメージを作りましょう。

パソコンでデザインを整えるのは「最終調整」。
それぐらいのイメージでいる方が、ロゴデザインは作りやすいです。

ロゴデザイン提案時の注意点

今回僕が作ったロゴデザインはクライアントワークではなく、
自分用なので好き勝手に作ってますが、もしもクライアントワークとしてロゴを提案する時は、
気を付ける点が1つあります。

それは提案数と切り口です。

今回、僕が作ったロゴは全部5つですが、僕がクライアントに提案する場合
5案ではなく、3案として提出します。

というのも、最初の3つはバリエーションになるからです。

つまり、提案時には

このような見せ方になります。

たまにデザイン案とバリエーションの区別がついていない人がいますが、
バリエーションとアイデア数を混同してはいけません。

それでお金を取ろうもんならただの怠慢だし、クライアントは喜びません。

実際に自分が作ったデザインを5案とカウントして、果たしてクライアントが満足してくれるのか?
自分が本当にそれで5案としてお金を払うことができるのか?

提案時にはそうしたクライアントの気持ちを考えることも大切です。

また、提案数は多すぎるとクライアントさんは絞ることができませんので、
最初にしっかりとヒアリングした上で、コンセプトを作り、

クライアントさんが「コンセプトとデザインの両方から」選びやすくなるように、
提案数とデザインを工夫しましょう。

理想は3〜5案で十分かと思います。
※デザイン案はまず50〜100ぐらいとにかく色々考えましょう。
あくまでも絞るのは提案数であり、アイデアの数ではありません。

ロゴデザインで悩む時の提案方法

ロゴデザインを提案されても多くのクライアントさんはかなり悩まれます。
それが良くても悪くても。

なぜなら、それだけクラアイントさんは真剣ですし、最初にもお伝えした通り、
ロゴデザインは企業や商品の顔にもなり得るものだからです。

だからこそ、よりイメージを明確化させることが重要となります。

僕も過去には会社で鬼のようにロゴを作り、提案していたことがありましたが、
当時、提案したお客様を喜ばせるのに使っていた方法が、

使用イメージをきちんと見せてあげるということです。

つまり、ロゴだけでは決めにくいので「実際に使うとこうなりますよ」
というイメージを視覚的に見せてあげると決めやすくなるし喜ばれます。

例えば、先のロゴを全て名刺に反映してみる。
こうして形にすると、

実際にどのロゴデザインが最もしっくりくるか、イメージが掴みやすくなります。
(名刺デザインのレイアウトも変えると喜ばれます)

さらにロゴを決めてくれたお客様には、「じゃあ、ついでに名刺もお願い」と
少しだけ売り上げを伸ばすことができます(笑)

こうしたお互いにメリットのあることはどんどん提案していきましょう!

まとめ:ロゴデザインは「思い」を大事にしよう!

今回はロゴデザインの考え方と作り方についてお伝えしてきました。

デザインに正解はありません。特にロゴデザインとなると、
ロゴが売り物というわけではありませんし、大事なのは自分の思いをどうロゴに反映するか?

そしてロゴを見た人がどう感じるかを想像すること。

例えば、

  • このロゴでビジネスの業態がわかるのか?
  • 自分の思いが見る人に伝わるのか?
  • 周りからの信用に値するロゴイメージになっているのか?
  • 自分が長く使い続けたいロゴなのか?

分かりやすくまとめると、自分が胸を張って堂々と見せられる
気持ちの入る「ときめく」ロゴになっているか?

「自分らしさ」が滲み出た、「お前らしいな」と人から言われるようなロゴなのか?

とにかくロゴに関しては、自分の顔にもなるため、
徹底的にこだわって欲しいと思います。

だからこそ、ロゴを作る際には、いくら自分でデザインできないからといって、
無料で簡単に作れるロゴジェネレーターとか、そういう類のものは、

僕は使って欲しいとは思いません。

ロゴデザインは自分の顔であり、自分の名前のようなもの。
印鑑や落款と同じ役目を果たすものになります。

なので、自分でロゴを作るにしても、クライアントのロゴを作るにしても、
それだけ自分やクライアントの思いを形にするという強い気持ちで、

ぜひ通常のデザインよりも気合を入れて、ロゴデザインをして欲しいと思います。

今回ご紹介したロゴはまだまだ暫定のロゴですので、僕もしっかりと詰めていきます。
(そのままどれかに決めるかもですが。少し時間をおいて考えます。)

以上、参考になれば嬉しいです。

ロゴデザインの考え方と具体的な作り方

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